再開発で進む東京の大改造 | 投資対象として次に狙うべきエリアはどこ?
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再開発で進む東京の大改造 | 投資対象として次に狙うべきエリアはどこ?

再開発が続く東京、次のねらい目エリアはどこ?

2010年頃から続く東京都心での再開発は、さながら「東京の大改造」ともいえるほど、あちこちで大型プロジェクトが進められています。

振り返ってみれば、2000年代前半から丸の内・大手町一帯のビルはほとんどと言っていいくらい全てのビルの建て替えが行われてきました。いま、その流れは最終段階で、有楽町エリアや大手町・八重洲エリアで建て替え工事・建て替え準備が進んでいます。

また日本橋、三越前エリアなどでも大型ビルが続々竣工しました。これらエリアのほとんどはオフィス用のビルの建て替えです。

渋谷の大改造はあと5年くらい続く

オフィスに加えて商業施設、また駅の改造まで、つまり街自体が大きく生まれ変わろうとしているのが渋谷エリアです。2010年ごろから始まった渋谷の再開発はだいぶ進んでおり、竣工したビルも増えてきました。9つのビッグプロジェクトからなる渋谷駅周辺の大改造は2025年頃まで続きます。

虎ノ門周辺の再開発と投資マンション

渋谷と並んで、現在大規模再開発が進んでいるのが、虎ノ門・神谷町周辺エリアです。ホテルオークラ本館の建て替え(ホテル+オフィスビル)は2019年に竣工しました。

また日比谷線の新駅「虎ノ門ヒルズ」、駅ビルとして、虎ノ門ヒルズステーションタワーが東京オリンピックの開催までに開業します。

また、虎ノ門から麻布台にかけての広範囲の開発が行われ、そこに日本一のビルが建つ「虎ノ門・麻布台開発」(まだ、〇〇ヒルズという名称が決まっていません)等々、森ビルが自身の本拠地でビルを建て続けています。

この周辺での新築ワンルームマンションの分譲は最近見られませんが、同エリアの中古ワンルームマンションの価格急騰状況を見ると、もしこのあたりでワンルームマンションが出れば、「即買い」 してもいいかもしれません。

再び注目を浴びる高輪エリア

これから、超注目エリアなのは高輪・泉岳寺エリアです。

ご承知の通り、3月14日に山手線新駅、高輪ゲートウェイ駅が開業します。高輪ゲートウェイ駅周辺の開発(品川開発プロジェクト)は、JR品川車両基地の跡地をJRが再開発するプロジェクトです。初めに、4棟の超高層ビルと1棟の大型低層ビル計5棟が建設される予定となっています。

また、京急が所有する品川駅~泉岳寺駅のJRと第一京浜道路(国道15号線)の間の細長いエリアの開発も計画されています。
これら以降も開発が予定されており、現在の泉岳寺駅周辺エリアは急速に発展し、都心有数のオフィス・商業施設、高層ビル集積地に進化しそうです。

今さら言うまでもありませんが、高輪エリアは、古くから住宅地として人気の場所で、1970年代から分譲マンションが建てられており築30年・40年と言った、あと10年もすれば「建て替えはどうする?」と議論になりそうな物件が多く存在するエリアです。

このエリアで一棟売りの投資レジデンスの売り物件がでることは、めったにありませんが、もし売出されたら、間違いなく「即買い」だと思います。

有楽町延伸で、墨田区・江東区もねらい目に

昨今、一棟売りの賃貸住宅で注目を集めているのが、墨田区・江東区あたりです。

有楽町線の延伸がすでに決まっています。有楽町線は豊洲駅で分岐して、東陽町駅(東西線と接続)から住吉駅(半蔵門線と接続)へと伸びます(東陽町・住吉は江東区)。
そしてそのまま行けば、錦糸町、押上駅(墨田区)へとつながり、いまでも比較的交通の利便性の良いところですが、さらにアクセスが増えます。

このようなインフラ整備がさらに進めば、江東区・墨田区の不動産価値は上昇する可能性が高いと思われます。下町風情もある所ですから、とくに単身者に人気がでると思われ、投資ではワンルームマンション主体の1棟レジデンスがいいと思います。

ワンルームマンションは将来を見越して買うべき

一棟売りの賃貸住宅投資では、短期で転売する方もおられますが、長期で保有されるも多くいらっしゃいます。長期での保有を考えているならば、これから該当エリアがどう発展していくのか?そして、30年後、その街はどう発展していくのか?こうした事を、ふまえて購入することが大切です。

こうした動きは2020年の東京オリンピックをすぎて、2025年くらいまで続くことになりそうです。

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不動産エコノミスト 吉崎 誠二(よしざき せいじ)

社団法人 住宅・不動産総合研究所 理事長

早稲田大学大学院ファイナンス研究科修了。立教大学大学院 博士前期課程修了。(株)船井総合研究所上席コンサルタント、Real Estate ビジネスチーム責任者、基礎研究チーム責任者、(株)ディー・サイン不動産研究所 所長を経て現職。不動産・住宅分野におけるデータ分析、市場予測、企業向けコンサルテーションなどを行うかたわら、全国新聞社、地方新聞社をはじめ主要メディアでの招聘講演は年間30本を超える。
著書: 「データで読み解く賃貸住宅経営の極意」(芙蓉書房出版)、「大激変 2020年の住宅・不動産市場」(朝日新聞出版)、「消費マンションを買う人、資産マンションを選べる人」(青春新書)等10冊。多数の媒体に連載を持つ。

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