2022年08月23日(最終更新:2023年06月15日)
東日本レインズより「年報マーケットウォッチ2021年」が公表されました。この10年間で首都圏の中古マンション市況はどのように変化したのでしょうか?
今回は、中古マンションの成約状況を価格帯別、築年帯別、間取り別、駅からの交通の便などの分類でデータを分けて分析していきたいと思います。
参考:公益財団法人 東日本不動産流通機構「年報マーケットウォッチ2021年・年度」
引用:公益財団法人 東日本不動産流通機構「年報マーケットウォッチ」
このデータによれば2012年からの10年間で、首都圏の中古マンション成約㎡価格は約1.6倍に上昇しました。平均価格では1,369万円の上昇となります。この価格上昇の背景にあるのは、高額物件取引数の上昇です。
ここ10年で物件の価格帯構成が大きく変わってきているのが分かります。高価格帯の物件の取引が占める割合が増えています。
実際、5,000万円超の物件が占める割合は、2012年度では7%であったのに対し、2021年度では27%にまで急増しています。5,000万円超の物件数では、2012年度で2,372戸だったのが2021年度は10,025戸と約4.2倍になりました。
一方低価格帯は減少傾向にあり、2,000万円以下の物件数は、2012年度と比較して2021年度は3割減となっています。マンションの買いにくさが常態化しています。
次に築年数別で見てみましょう。当然ですが、築年数が浅い順に価格が高くなっています。しかし、ここ数年は、築30年超が築26年~30年の価格を超えていました。築30年超の築古物件の中には昔から「ビンテージマンション」として人気のある物件もあります。
つぎに間取りで見てみましょう。
表をみれば、間取りに関しては過去10年で大きな状況の変化はなさそうです。ただ、ワンルームと1DK・1LDKをあわせた割合でいうと、2012年度が16%だったのが2021年度には20%に微増しています。
下記のグラフは2012年=100としたときの価格推移です。
徒歩10分以内の物件の価格上昇が最も高く、2012年比で165でした。また、交通の条件の悪い、駅徒歩21分以上の物件価格が2021年は大きく上昇しました。前年比15%増の32.51万円/㎡と遡及可能な2009年より初めて30万円/㎡を超えました。
コロナ禍で在宅勤務が浸透することで、通勤利便性を考慮せず、よりよい住居環境を求める動きがあったことが背景にあると考えられます。
収益不動産ONLINE編集部
収益不動産分野のシンクタンク「収益不動産総研」が運営しています。不動産投資に役立つあらゆる情報をお届けします。収益不動産をこれから購入する方、すでにお持ちの方が成功に近づくためのノウハウを提供しています。