2022年04月19日(最終更新:2023年06月14日)
3月22日に国土交通省より2022年分の地価公示が発表されました。
昨年(21年分)はコロナ禍で経済活動が停滞した影響で、地価公示が一時的にマイナスとなりましたが、全国の住宅地平均は前年比0.5%上昇し、2年ぶりにプラスに転じました。
住宅地においては、リモートワークの浸透により、「よりよい住環境への需要」が底堅く、都心や市中心部に近い一定の人気のある住宅地の需要は相変わらず高いという状況です。
都道府県別の地価公示変動率をみていきましょう。
国土交通省「地価公示」
住宅地の変動率が上昇した都道府県は、昨年は8であったのに対し、2022年は20に増えました。和歌山県と愛媛県においては、変動率は前年と変わりませんでしたが、それ以外の45都道府県では、前年よりも変動率が上昇(もしくはマイナス幅の縮小)しました。
東京23区の地価平均価格は、前年比1.5%プラスとなりました。新型コロナウィルス感染拡大の影響を受けて8年ぶりに前年変動率がマイナスになった昨年から2年振りにプラスに転換、新型コロナの影響から地価が回復しつつあることを示す結果となりました。
国土交通省「地価公示」
23区は全てのエリアで住宅地の変動率がプラスになりました。2021年では、港区と目黒区のみがプラスでしたので、コロナ禍からの全体的な地価回復傾向が見られます。
ちなみに、商業地においては、千代田区、港区、中央区がマイナスとなり、中心商業地のコロナの影響はまだまだ色濃く出ているようです。
住宅地の中で最も変動率が高かったのは、中央区2.9%、次に豊島区の2.6%、次いで文京区が2.5%でした。ちなみにこれら区は、昨年調査では、中央区-0.8%、豊島区で-0.6%、文京区は-0.7%と下落率が大きかったエリアでもあります。
つまり、コロナショック1年目の地価公示で減少幅が大きかった分、その反動で、全体的に回復傾向にむかっている今回の調査での上昇率が高くなったと考えられます。
また、港区や目黒区は、昨年も大きな落ち込みがなく、安定的に地価が推移している様子がうかがえます。
コロナ禍で経済的な回復は見られていませんが、人々の住宅への需要はむしろ堅調に推移しているということが、今回の地価公示からも見えてきました。
足元では金利上昇のキザシがちらほら見え始めていますが、いまのところ日銀は、「金融緩和政策はまだ続ける」としています。
少なくとも2022年内の大きな金利上昇可能性は低いと思われるため、来年、2023年に発表される地価公示は今年よりもコロナ前の水準への回復状況が改善していくと予想できます。
収益不動産ONLINE編集部
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