不動産コラム

【不動産市況_12】上昇を続ける関東圏の地価とデータの活用方法

【不動産市況_12】上昇を続ける関東圏の地価とデータの活用方法

 国土交通省は9月19日に令和元年地価調査を発表しました。これによると、三大都市圏以外の地方圏で商業地が1991年以来28年ぶりに上昇、全用途での上昇地点の数は全国で6802と全体の3割を超えるなど、
地価上昇が地方にも波及してきました。
 
 その背景には、交通利便性の高い住宅地や訪日客らのホテル需要などが見込まれる商業地の上昇があるわけですが、その反面、恩恵を受けていない地方との二極化が進んでいる状況も見られます。
 
 今回は地価調査について詳しく見ていきましょう。
 

地価調査とは?公示地価との違い

まずは、地価調査について簡単におさらいしておきたいと思います。2つの大きな違いは以下の通りです。
 

 
主体や時期などが異なりますが、両調査結果とも「正常な価格」として公示され、一般の土地の取引価格に対して指標を与える
とともに、公共事業用地の取得価格算定の基準として活用される等、適正な地価の形成に寄与するものとなっています。
 

東京圏は地価上昇が周辺エリアにも波及

 それでは、令和元年の地価調査について東京圏を中心に見ていきたいと思います。
東京圏は全体の6割を超える2166地点で地価が上昇しました。上昇率は全用途平均で2.2%と前年より0.4ポイント上昇、
住宅地が1.1%上昇、商業地に至っては4.9%上昇と、商業地が全体を牽引しています。
(※東京圏とは、首都圏整備法において「首都圏」と定義された、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、山梨県の1都7県を指す。)
 
次に、市区町村別での上昇率を見ていきます。
 
■市区町村別地価動向(東京圏・商業)

             (国土交通省「令和元年都道府県地価調査」より転載)
 
これを見ると、都心を中心として交通アクセスのいいエリアから順に、地価上昇が波及していっているのが分かります。
 

不動産投資家として地価調査をどう活かすか

 不動産投資、ましてや一棟収益不動産となると地価は購入価格や利回り、また出口戦略に直結するため、非常に重要になってきます。
地価公示や今回の地価調査のように「公」の「客観的なデータ」があるわけなので、これをうまく活かすに越したことはありません。
 例えば、購入を検討しているエリアの地価の将来の見通しを検討する材料として活用できます。再開発の予定があるエリアに投資しようとする場合、もし似たような前例を持つエリアのデータを参照すること出来ればいいと思いませんか?
国土交通省のHPでは、今回の地価調査において「特徴的な地価の上昇が見られた各地点の動向」
(URL: http://www.mlit.go.jp/totikensangyo/totikensangyo_fr4_000264.html)として紹介されています。
 
例えば、大阪府茨木市では、「新駅の開業に伴う住宅需要 の増大」が主な要因となり、住宅地の地価上昇率が大阪府で最も高い7.2%でした。
 具体的な要因として、「平成 30 年 3 月に開業したJR総持寺駅周辺では、交通利便性の高まりが選好され、需要の強い状況が継続していることから、地価が上昇している。」と鑑定評価員のコメントがありました。
もちろん、地域性や個別要因があるので一概には断定出来ませんが、こういった同じような事例があるエリアの地価推移を参考にして、該当エリアの将来性を見ることが可能となります。
 

地価の情報を投資判断の一つの材料に

 地価は収益不動産の購入価格だけではなく、所有時の税金関連、または売却時にも大きく関わってきます。
1棟ものならなおさらです。地価動向をしっかり見ていく必要がありそうです。

 
 
 


社団法人 住宅・不動産総合研究所 (URL: http://www.hr-i.jp/)
 
住宅・不動産分野のシンクタンク&コンサルティング会社です。単なる経営アドバイザリー業務ではなく、業績向上に寄与する実践型のコンサルティングを提供しています。社団法人としての公正性を保ちながらのデータ収集・分析から、経営のアドバイス、そして事業に欠かせないブランドイメージの組み立て、マーケティングツールの制作までをワンストップで行う専門性の高いサービスメニューで、大企業から中小企業まで幅広くバックアップしています。

 
 

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