【投資の極意77】収益不動産投資における融資~元利均等と元金均等、メリットとデメリット~
不動産コラム

【投資の極意77】収益不動産投資における融資~元利均等と元金均等、メリットとデメリット~

今回は、不動産投資に欠かせない、融資についてお伝えします。「不動産投資で成功する最重要ポイント」、その一つは「融資に強くなること」ではないかと思います。

そもそも不動産融資とは

そもそも、不動産融資とは何でしょうか?

住宅ローンは、自宅(自用の住宅)を購入する際のものですが、その一方で不動産融資(不動産ローン)とは、主に賃貸用不動産の購入や、企業などによる不動産開発などを金融機関から調達するものです。ざっくりいえば。投資用(つまり保有して賃貸する)として、あるいは販売用の不動産などの場合に用いられるのが不動産融資です。

そのため、住宅ローンの借主は個人に限られますが、不動産融資の場合は、不動産投資を行う個人だけでなく、企業や事業主(事業体)が利用するケースも多くあります。後者の方が多いと思われます。

融資の強い会社と付き合うことが重要

不動産投資の大きなメリットは、「融資を利用して投資ができること」です。これは、不動産投資が株式投資など他の投資と大きく異なる点であり、不動産投資の魅力の一つでもあります。つまり、手持ち資金が少なくても投資ができる、「レバレッジを効かせた投資」が行えることです。そのため、サラリーマンの方々をはじめ、広く不動産投資が広まっているわけです。

そのため、冒頭にのべたように「うまく融資を活用できるか」は不動産投資における大きなポイントとなります。

融資条件は同一ではない

投資対象不動産に対しての融資金額、融資期間をどれだけ有利にできるかは、例えば同じ金融機関に対しても、それをサポートする企業(デベロッパー、販売会社、仲介会社など)によって異なります。こうしたことから「融資に強い会社を通じて購入する」ことは重要なことになります。同じ不動産融資を受けるにしても、どの金融機関から融資を受けるかで条件が異なることもあり、さらにいえば対象不動産に対して、同じ金融機関から融資を受けるに際して、どの企業を通じての融資かで条件が変わることがあります。当然、借入を行う方、企業により、条件が異なることがあります。すべて同じ物件を担保にとっても変わるわけです。

つまり、不動産融資においては(事業融資の多くで見られる傾向ですが)、金利などの条件は、同一ではないということです。

元利均等返済方式と元金均等返済方式

不動産投資の時に使う融資においては、対象不動産を担保に入れ抵当権を設定し融資を受けます。そして、毎月元本と利息を合わせて支払うことになります。このうち、利息は残債に対してかかりますので、返済が進むにつれて利息は減ります。

不動産融資の返済方法(元本と利息の組合わせ方)には2つのパターンがあります。毎月の支払い返済額(元金+利息)が一定となるのが元利均等返済方式です。最初のうちは、支払額に占める利息の割合が多いため、借入金残高の減り方が遅くなります。そのため、同じ借入期間で比較すれば、元金均等返済方式よりも総返済額が多くなります。

毎月の返済額のなかで、元金の額が一定となるのが元金均等返済方式です。このうち、住宅ローンでは多くが元利均等返済方式を選択しています。一方、不動産融資では、どちらも一定割合あります。

不動産投資で元利均等返済方式を選択するメリットとリスクは?

不動産投資で元利均等返済方式を利用するメリットは、「返済額が一定のため収益シミュレーションが立てやすいこと」、また「元金均等返済方式に比べて、返済開始当初の返済額を少なくすることができる」ため、「初期のキャッシュフローがよくなる」ことでしょう。

その一方で、気を付けなければいけないこともあります。大都市部など除き、基本的には経年に伴い、賃料が低下する可能性が高くなります。長期の収益シミュレーションを組んだときに、20年・30年と経てば賃料収入(つまり支払い原資)が少なくなり、かつ修繕費用などの出費も増えますので、そのような時期でも初期と同じ金額の返済がありますので、前半で余裕があるときにストックしておきたいものです。

元金均等返済方式を選択するメリット

元金均等返済方式は、元利均等返済方式に比べて、元金の減少が早いため、同じ借入期間の場合、元利均等返済方式よりも総返済額は少なくなります。返済開始当初の返済額が最も高いため、当初の返済負担が重く、借入時に必要な収入や収益なども高くなります。しかし、逆にいえば後半は返済額が少なくなり、先に述べたのと逆で収入減少や経費増の可能性があるときには返済額が減っていることになります。

元金均等返済方式は、元金の減り具合が一定のため、残債額が見えやすく、最終までの返済イメージがつきやすくなります。元金均等返済方式は、元金(つまり借入額)を分割して返済していくので、アモチゼーション(Amortization)(アモチと略して言うことも多い)とも言われます。

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