不動産コラム

【投資の極意_39】今さら聞けないDXと不動産関連ビジネス

9月1日にデジタル庁が設置されました。デジタル庁は、デジタル社会形成の司令塔として、未来志向のDXを大胆に推進するべくスタートしました。今回は、今さら聞けない「DX」、そして、DXと不動産についてお伝えします。

 

デジタルトランスフォーメーション(DX)とはそもそも何?

DX(デジタルトランスフォーメーション)とは、Digital Transformationの略語です。ちなみに、DTでなく、DXと「X」が使用されるのは、英語圏では「transformation」の「trans」を「X」と略し、「X-formation」とすることが一般的なためです。DXという概念は2004年、スウェーデン・ウメオ大学のエリック・ストルターマン教授がその論文の中で以下のように提唱したことに始まります。「ITの浸透が、人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させる」。

 

2018年12月に経済産業省から発表された「DX推進ガイドライン」では、DX は以下のように定義されています。「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること。」

DXは単なる、IT化、デジタル化ではなく、もっと先の社会全体をも取り込む変革であるというイメージと言えます。

 

各業種で関心が高まる「DX」

デロイト トーマツ グループが、上場企業2,752社を対象に有価証券報告書をテキストマイニングで分析したレポート「テキストマイニングによる有価証券報告書の開示動向調査」によると、「DX」というワードを記載した企業は485社で昨年の106社から379社も増加しているようです。企業がDXへ注力しているということがよく分かります。

経営方針、経営環境及び対処すべき課題等におけるDXの記載率(2019年、2020年、2021年)

 

(デロイト トーマツ グループ「テキストマイニングによる有価証券報告書の開示動向調査」)

 

 

不動産業におけるDXとは?

不動産業界は最も改善の余地がある業種の一つであると言ってもいいかもしれません。FAXを使った募集図面のやり取りや対面のみの営業などアナログな方法がまだ浸透したままです。ただ、新型コロナウィルス感染拡大の影響でオンラインでの内覧や営業活動が増え始めていたり、宅建業法の改正でIT重説なども行われるようになったりと少しずつ前進していますが、それらの多くは大手不動産会社が中心となり行っているもので、特に町の小さな不動産屋などでは、まだまだ浸透とは程遠いのは想像に難くないことだと思います。

 

先ほどのグラフでも、上場している不動産業の有価証券報告書における「DX」記載率は、3年間で増加しているものの、2021年で24%と他の業種に差を付けられているのが分かります。

 

それでは、不動産業界におけるDXでは具体的にどのようなことが期待できるのでしょうか?例えば、内見や契約といった一連の営業活動をオンラインで行えるようにしたり、物件情報の管理をデジタル化させたりといったことで、これらは今も一部で行われてきています。これらのことが、不動産業全体で横断的にビジネスモデル化することこそがDXと言えます。また、「不動産ID」化についても、官民で協議されています。不動産IDによって、表記揺れ(※1)の影響を受けず物件を一意に特定できます。また、不動産はそもそも情報が不透明で、そのせいで不動産業者とエンドユーザーの間に大きすぎる情報乖離が発生していますが、不動産IDによって、情報が一本化され、消費者にも開示されるようになることが考えられます。これによって、消費者は不動産に関するあらゆる情報を知ることが出来るので、安心して売買が出来ます。

 

各社で進行しているデジタル化、IT化が、業界全体、社会全体をも取り込むことが出来るまで、不動産業界ではまだ乗り越えなければならない課題があります。しかし、今後一気に加速していくことも期待できるので、不動産業に関わる者としては、変化に対応していくための知見やノウハウを備えておく必要がありそうです。

 

※1 表記揺れ(ひょうきゆれ)とは、ある言語の文字表記において、ある単語が2通り以上の書き方をされることにより、表記にばらつきが生じることを指す。例えば、〇〇一丁目23番と〇〇1-23は同じ所在地をさすが、形式的な表示が異なる。

 
 
 


収益不動産ONLINE編集部

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