2019年12月03日(最終更新:2023年06月09日)
前回のコラム「都道府県ごとに大きく異なる持ち家事情 | 持ち家比率の裏側を解説」で、「持ち家比率はそのエリア独特の「持ち家」に対する考え方を示しています。
もちろん、供給量との兼ね合いもあるので、一概には言えませんが、賃貸需要を見る一つの指標であることには変わりがないでしょう。」と述べましたが、「一体どうやって調べたらいいのか」と思われた方も多いかと思います。
今回は総務省統計局「住宅・土地統計調査」をもとに、持ち家比率の調べ方を詳しくお伝えすることで、持ち家比率だけではなく、その他様々なデータを取得できる「住宅・土地統計調査」の調べ方を紐解いていきたいと思います。
まずは平成30年住宅・土地統計調査(リンク先: https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&toukei=00200522&tstat=000001127155)のページから、エリアの詳細結果が分かる「全国・都道府県・市町村[273件]」に進みます。
ここでは、持ち家比率を調べるわけですが、この持ち家比率は、「住宅の所有の関係」という項目がある表から抽出することが出来ます。この項目のうち「持ち家」に該当する住宅数を「総数」で割れば、持ち家比率が算出されます。
273件の中から適切な表をイチから探すのは大変ですが、「 [ctrl] + [F] 」でページ内のワード検索ができます。右上の検索窓に「住宅の所有の関係」を入力することで該当する表がピックアップされます。
出来るだけエリアを絞ってデータを収集したいので、「市区町村」で集計されている表を選ぶといいかもしれません。
ここでは「表6-3 住宅の所有の関係(5区分),建築の時期(7区分)別住宅数-全国,都道府県,市区町村」から、市区町村別、具体的には「東京都新宿区」の持ち家比率を算出する方法を、順を追って説明していきます。
まず、表タイトルの横にある「DB」と書かれたボタンをクリックします。すると下のように「最大画面表示セル数50,000を超えました。」という表示が出ます。
「市区町村」単位となるとデータ量が膨大になってしまうからです。そこで「表示項目選択」をクリックして、必要な情報を絞り込んでいきます。
ポイントとしては、知りたい項目以外は「総数」で選択することです。これにより、項目を絞り込めるので、結果表示もシンプルで見やすくなります。
絞り込みの方法は以下のように項目内で必要箇所にチェックマークを入れるだけです。
するとこのような結果になりました。
新宿区の総住宅戸数が、【213,290戸】でそのうち【69,780戸】が持ち家、つまり、持ち家比率は【32.7%】となります。
この32.7%という数値は周辺エリアと比べて高いのでしょうか?地域選択を増やして算出してみましょう。
こちらは23区での住宅総戸数と持ち家戸数を算出した結果です。ここで、右上のダウンロードボタンを押すと、Excel形式で結果を見ることが出来ます。
Excelで計算や並び替えをすることで、より分かりやすくデータを集計することが可能となります。ちなみに、23区別で持ち家比率を算出すると以下のような結果になりました。新宿区の持ち家比率は低いことが分かりますね。
今回は、シンプルな集計方法をお伝えしました。他にも持ち家比率だけではなく、空室率や家賃、建築年別の賃貸住宅の分布なども集計が可能です。
ただ、「住宅・土地統計調査」は不動産投資で役に立つデータが充実しているのに、集計に慣れていないと活用が難しいものです。
これを機に、是非沢山のデータに触れて不動産投資に役立てて頂ければ幸いです。
収益不動産ONLINE編集部
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