2021年09月03日(最終更新:2023年06月14日)
株式会社不動産経済研究所は、2021年上期及び2020年の年間首都圏投資用マンション市場動向を発表しました。
引用:株式会社不動産経済研究所
2020年に首都圏で発売された投資用マンションは、140棟、6,260戸で、前年に比べると物件数はプラス6.15%、戸数はプラス4.75%と増加しました。
コロナ禍であっても供給戸数は大きく減ることはなく、前年比プラスとなりました。株式会社不動産経済研究所によると、「供給があったのは全35エリアで、前年と比べて4エリア増加。江東区が776戸と前年の544戸から232戸増加してトップ、2位は新宿区(518戸)、3位には台東区(360戸)が入っている」ということですが、エリア別で見るとどのエリアが投資用マンション戸数が増えているのでしょうか。
以前まで大田区は新規投資マンション供給戸数で1位が続いていましたが、近年は一時期よりは勢いが弱まってきています。一方で、江東区の供給量が増えています。また、台東区や新宿区なども新たな供給エリアとして出現してきているようです。
2009年から公表されている「首都圏投資用マンション市場動向」では、供給地区ランキングで上位5エリアが掲載されており、上記は掲載されている各年の上位5エリアの供給戸数を累積した結果です。
あくまでもその年の上位5エリアの供給戸数のみの累計なので、実際の供給戸数と、異なることに注意が必要です。江東区と大田区の供給量が突出しているのが分かります。
株式会社不動産経済研究所によると「今後の首都圏の投資用マンション市場は、コロナ禍においても東京都心部などでは厳しい用地取得競争が続いていることから、当面は城東や城北、神奈川県の横浜市や川崎市などのシェアが高いまま推移する見込み」であると見解を示しています。
実需の中古マンションと同様、2012年頃から、投資用マンションの価格高騰が続いています。2012年の㎡単価が96.8万円であるのに対し、2020年は120.2万円と約1.24倍です。投資用マンションが25㎡だとすると、約585万円も上昇したことになります。物件価格は、利回りにも大きな影響を及ぼします。
出典:地価公示価格は国土交通省のデータより
上のグラフは投資用マンションの価格と地価変動率の推移を表したものです。価格高騰の背景の一つとして、都市部の地価高騰が挙げられます。2つの変数の相関係数も0.75で強い関係がうかがえます。
2021年の地価は下落しましたが、先述の通り、コロナ禍であっても用地取得競争が過熱していることから、価格も大きく下がることは暫くないものと見られます。
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