2021年08月24日(最終更新:2023年06月14日)
東日本レインズは、2021年6月の首都圏不動産流通市場動向を公表しました。中古マンションの販売価格が全国的に高騰しているなか、首都圏では特に顕著な上昇がみられます。
6月の首都圏中古マンション成約件数は3,262件(前年同月比プラス5.0%)と、4ヵ月連続で前年同月を上回っています。都県別では、東京都1,609件(前年同月比マイナス0.4%)、埼玉県373件(前年同月比プラス3.9%)、千葉県439件(前年同月比プラス14.0%)、神奈川県841件(前年同月比プラス12.4%)。
東京都が4ヵ月ぶりに減少に転じましたが、埼玉県は6ヵ月連続、千葉県と神奈川県は4ヵ月連続での増加と、首都圏での中古マンション成約件数がコロナショックを経ても、順調に増加しています。
成約単価は59万4,200円/㎡(同11.1%上昇)となり、14ヵ月連続で上昇、3ヵ月連続の2桁上昇と、価格上昇が急加速している状況です。
引用:東日本レインズ
近畿圏不動産流通機構によると、2021年4~6月期における近畿圏の中古マンション成約件数は4,539件(前年同期比プラス37.6%)と4四半期連続で増加し、4~6月期としては1990年の同機構発足以来最多となり、コロナ禍で落ち込んだ前年同期の反動だけでなく、一昨年同期をも上回りました。
同期平均成約価も、2,450 万円で前年比プラス 12.1%の2ケタ上昇となり、4期連続で前年同期を上回り、金融緩和の継続や経済活動の回復等を背景に、堅調に推移しています。
首都圏・近畿圏ともに、新規登録件数が減少傾向にあります。
引用:東日本レインズ
引用:近畿レインズ
需要と供給の関係を考えると、たとえ需要が増えなくても供給量が減れば、価格は上昇傾向になります。こう考えると、昨今の価格上昇は、供給量の不足が一因と言えるかもしれません。しかし、このまま新規登録件数が減れば、物件購入時の選択肢が減り、またさらなる価格上昇につながれば、需要が減退する可能性もあります。
引用:国土交通省「不動産価格指数」
上のグラフは、国土交通省が公表している「不動産価格指数」の推移です。不動産価格指数とは、国土交通省が実施する「不動産の取引価格情報提供制度」により蓄積されたデータを活用し、「個別物件の品質」つまり、立地や設備、規格、築年数などの属性の違いを考慮し、調整したうえで、算出・推計された指数です。
こちらは、2010年を100としていますが、グラフからは各地域において、2010年以降で価格が上昇しているのが分かります。それだけではなく、2010年比の価格水準としては、関東地方よりも他のエリアの方が、上昇幅が大きいことが分かります。
2020年1月以降で不動産価格指数の前年同月比をエリアごとに示したものです。
四国地方や北陸地方など、取引件数が少ないエリアは時として前年比を下回っていることがありますが、全国的にみればコロナショックに影響されず、引き続き中古マンション価格が上昇しているということが分かります。
収益不動産ONLINE編集部
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