2022年03月11日(最終更新:2023年06月14日)
前回のコラム(今更聞けないFIRE)で、FIREを実現するためには、「年間支出の25倍の資産」を「年利4%で運用していく」ことを、目標にすることをお伝えしました。今回は不動産投資でFIREを実現するメリットとデメリットについて、株式投資と比較しながら解説します。
一般的にFIREを実現するためには、「年間支出の25倍の資産」といったような膨大な資産を築く必要があると言われています。しかし、サラリーマンの方の場合、本業の収入を大きく増やしたり、副業で収入源を増やしたりすることはなかなか難しいというのが現状です。
また、生活を切り詰めて貯蓄を増やすのもあまり現実的とは言えません。そのため、できるだけ早くFIREを実現するには、本業と無理なく並行して行える資産運用が重要となります。
とはいえ、一口に資産運用と言っても株式投資、FX、仮想通貨、不動産投資など様々な運用方法があります。また、それぞれ大小さまざまなリスクがあるので、どの資産運用で資産を形成していけばいいのか迷うところでもあります。
FIREを実現するにあたって、不動産投資と株式投資それぞれのメリット・デメリットを簡単にまとめました。
不動産投資 | 株式投資 | |
---|---|---|
メリット | ・長期に渡る賃料収入でFIREまでの見通しがつきやすい ・レバレッジが効く ・高い利回りが期待できる | ・ポートフォリオによる分散投資でリスク分散がしやすい ・不動産投資よりキャピタルゲインが大きい場合がある |
デメリット | ・空室が続くと収支計画が合わなくなり、FIREが遅れる可能性がある | ・資産形成の予測が付きにくい ・相場急落で資産が減ってしまい、FIREが遅れる場合がある |
基本的には、一般的な「不動産投資と株式投資の比較」と大差はありませんが、違いのポイントとしては、「見通しが立てやすいかどうか」です。
FIREは「年間支出の25倍の資産」という目標金額に対して、「〇歳からFIREを実現したい」という目標到達までの期間の設定が必要になります。
その年齢までに目標資産を形成するためには、ある程度見通しが付けられなければなりません。不動産投資は、毎月入ってくる賃料収入が安定的なので、株式投資に比べると、FIREまでの計画が立てやすいと言えます。
FIREを実現するためには出来るだけ早く投資をスタートさせ、規模を拡大していくことが望ましいですが、少額からのスタートでは投資規模を加速度的に拡大していくことが出来ません。
しかし、不動産投資であればレバレッジをきかせることができます。
レバレッジ効果は、自己資金とローンを組み合わせることで、自己資金のみで運用するよりも大きな収益を生み出すことが出来ることをいいます。そのため、自己資金が少額ですみます。
不動産投資は、株式投資に比べると比較的高い利回りが期待できます。
日本取引所グループが公表している一部上場銘柄の推移は以下の通りとなり、株式投資の配当利回り平均は1998年から2022年2月までの長期で見ても0.5%~3%といった状況です。
引用:日本取引所グループ
一方、不動産投資の期待利回りは以下の通りとなります。
引用:(一財)日本不動産研究所「不動産投資家調査」
上のデータによると、東京や地方都市における期待利回りは、4%~8%で推移しています。
ちなみに、この「期待利回り」とは投資家が不動産の購入価格に対して何%のリターン(純賃料)を期待しているのかを意味する利回りで、不動産投資家へのアンケート調査を基に算出されています。
この期待利回りが下がるということは、「利回りが低くても、不動産投資をしたいと考える傾向にある」ということを意味しています。
ここまで、2回に渡ってFIREの意味、FIRE実現するために必要な資産と、資産形成の方法について見てきました。
不動産投資がFIREに向いていると言える理由をいくつかお伝えしましたが、やはり景気や経済に比較的左右されずに、計画的に資産を拡大させていくことが出来る点において、不動産投資が優位であると言えます。
しかし、そのためには、綿密な計画と物件選びが重要になってきます。しっかりと知識を付け、慎重に物件を選ぶようにしましょう。
収益不動産ONLINE編集部
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