不動産コラム

【不動産市況_10】減少している東京の賃貸住宅の空き家(空室)について

【不動産市況_10】減少している東京の賃貸住宅の空き家(空室)について

2019年4月26日に、総務省統計局から「平成30年住宅・土地統計調査」(速報値)が発表されました。この調査は、日本の不動産に関するデータとしては最大規模の周期調査で、昭和23年から5年ごとに行われているものです。今回は、15回目の調査で、平成30年10月時点の調査結果(速報値)の発表です。
 
これによると、住宅総数は6242万戸、空き家数は846万戸、空き家率は13.55%となりました。詳細に見ると、空き家846万戸のうち、いわゆる空き家問題とされている使われていない住宅等は347万戸でした。その他では、賃貸用が431万戸、売却用(まだ売れていない、これから売る)は29万戸、そして別荘などの「二次的住宅」は38万戸でした。

空き家の4分類

空き家は、以下のように4つに分類されています。
 

1)二次的住宅
  ―別 荘
  ―その他
2)賃貸用の住宅
3)売却用の住宅
4)その他の住宅
 
住宅総数は前回(2013年10月時点)に比べて、今回(2018年10月時点)は約180万戸増加。これはプラス3%で、伸び率はかなり低いものとなりました。
増加数を都道府県別でみると、最も多いのは東京都で約31万戸、次に神奈川県で15万戸、千葉県の14万戸、埼玉県の12万戸と首都圏で合計72万戸、増加数の約40%が首都圏に集中する形になっています。こうした数字からも首都圏への人口集中の様子がうかがえます。
 
今回は、先ほど述べた4分類のうち、賃貸用の住宅について分析してみます。
 

分類別の空き家

今回調査(2018年10月時点)の空き家を分類別にみると、最も多いのは、賃貸用住宅の空き家で約431万戸(室)。空き家総数846万戸の約51%と過半を占めています。続いて、その他の住宅(長年使われていないもの等)が347万戸で約41%となっています。
こうしてみると、賃貸用住宅の空き屋が多いように見えますが、長きにわたり、住宅着工数に占める賃貸用住宅の割合が多いため、その総数も最も多くなっているので、当然なのかもしれません。
 
しかし、今回の調査では、賃貸用住宅の空き家実数、空き家率ともに低下している都道府県も多く見られました。

空き家数減少基調の大都市の賃貸用住宅

以下、4大都市、東京、大阪、愛知、福岡の賃貸用住宅の空き家について見てみましょう。
 

 
上図は2003年以降(調査は5年毎)の東京都における賃貸用住宅の空き家数の推移です。
これをみると、2000年以降空き家が増えていましたが、今回の調査では2万室近く空き家が減っています。
「それでも、57万戸もあるじゃないか」、という声が聞こえそうですが、総数に占める割合は10%程度。かなり築年数の経ったものや、リフォーム予定、解体予定等、入居者募集停止物件もあるため、築年数が30年未満の賃貸住宅の空き家率は、5%前後だと予測されます。
 
次に愛知県を見てみましょう。
 

愛知県においては、3.5万室と大幅に空き家数が減少しています。約17%の減少ですので、この数字だけ見ると大幅に改善されている、と言っていいでしょう。
 

次は、福岡県です。約1400室の減少で、減少率は1%弱でした。こちらは、ほぼ横ばい、といった状況です。
 
最後に大阪府を見てみましょう。
 

大阪府における賃貸用住宅の空き家は、約45万戸で、5年前に比べて約3万5000戸の増加となりました。4大都市では、唯一の増加となりました。約8.5%増とかなり、大幅な増加となりました。
 
このように、東京を中心に大都市の多くでは、賃貸住宅の空き室は減少傾向にあります。
 
 
 


社団法人 住宅・不動産総合研究所 (URL: http://www.hr-i.jp/)
 
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