大都市圏のみならず地方でも続く建設計画 | 投資対象としてタワーマンションは増え続けるのか
不動産コラム

大都市圏のみならず地方でも続く建設計画 | 投資対象としてタワーマンションは増え続けるのか

2000年代前半に登場「持たざる経営」

あるメディアの記事で、「今後5年間首都圏で建てられるマンションの3棟に1つは、タワーマンション(一般的に20階建て以上)」という記事を読んで、「売れるんだなぁ」と改めて感じ、複雑な思いがしました。

2000年以降の20年間でタワーマンションは増えました。首都圏や関西、名古屋といった大都市圏だけでなく、近年は地方都市でもタワーマンションが増えています。

首都圏では、2000年頃から徐々に増え始めました。2000年代前半に「持たざる経営」が、もてはやされ、企業が「使っていない所有地」、あるいは「本業とはあまり関係のない所有地」、または社宅などの「お金を生まない所有地」などを売却したことで、多くのマンション適地が生まれました。

このころの首都圏では年間10万戸近くもマンションが建てられ、空前のマンション建設ブームとなります。
そうした中で、広大な土地や湾外沿いの土地など高い建物が建てられる場所には、タワーマンションが建ちました。

また、2005年頃から増えた都心(山手線内)の再開発では、ビルや商業施設と一体開発で、同一敷地内にタワーマンションが建設されます。2012年、東日本大震災から立ち直りが見え始めた頃からは、東京湾の埋め立て地にも、多くのタワーマンションが建設されています。この流れは、しばらく止まりそうにありません。

これまで人気が高く、ディベロッパーにとっても稼ぎ頭だったタワーマンションですが、ここに来て、やや懸念されるようになってきました。

例えば、タワーマンションにおける設備における心配です。これは、近年の台風洪水などで話題となりました。また、大規模修繕は大丈夫か?さらには、60年を超えると、建て替えはスムーズにできるのか?また、上層階と下層階、広い部屋と狭い部屋という対比で、生活水準がバラバラで、コミュニティーが成立しづらいという指摘もあります。

大規模修繕・建て替えといった時に、「マンションに大勢で住むということは、同じ資産を分割して持っている」ということを改めて認識すると思いますが、その時に果たして、マンションに住む何百世帯の方々は、「共同体と考えられるのか」という疑問も抱きます。

この心配は、タワーマンションを所有し永続的に住むと考えている方への思いであり、タワーマンションの1室を投資対象として見ている方にはあてはまりません。実需用マンション(自分で所有して、自分で住む)でなければ、いいタイミングを見計らって購入し、貸し出して収益を得て、またタイミングを見計らって売ればいいわけです。

タワーマンションを購入して賃貸物件として貸し出す、「タワーマンション投資」は、いうまでもなく、区分所有マンション投資です。

ただ、少し前まではタワーマンション投資は、価格と税評価額との間に開きがあることを利用して節税目的で購入する方もいました。税制度が見直されて少しは減ったようですが、また新たな節税スキームが登場すると、投資用のマンションとして再び脚光を浴びるかもしれません。

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