2021年10月29日(最終更新:2023年06月14日)
東証REIT指数は、東京証券取引所に上場しているJ-REITの全銘柄の時価総額加重平均です。赤色で示したものが全体の推移です。コロナ禍で一時的に大きく下げましたが、2021年7月にはコロナショック前の水準にまで戻っています。
東証REIT指数には用途別指数があり、東京証券取引所に上場するREIT全銘柄を対象に各REITが保有する物件の用途に着目して構成銘柄の選定した株価指数で、東証が公表するものでは、「東証REITオフィス指数」、「東証REIT住宅指数」、「東証REIT商業・物流等指数」の3つあります。
グラフを見ると、赤色の東証REIT指数と東証REITオフィス指数がほぼ同じような水準で推移しています。それは、東証REIT指数が時価総額加重平均型の指数で、リートはオフィス系リートの割合が大きいことから、時価総額が大きいオフィス系REITの動きが全体に影響しやすい傾向にあるからです。
実際に、取得価格ベースでJ-REIT保有不動産の用途別比率を見てみましょう。
J-REIT全体に対する、保有不動産の用途別保有額(取得価格ベース)の割合です。
引用:一般社団法人不動産証券化協会
2020年では、割合が40.3%でした。しかし、年々オフィスが全体に占める割合が減少傾向にあります。ポートフォリオに組み込まれる不動産種別が多様化しており、中でも物流系の物件が増えていることが分かります。
上のグラフは、東証REITオフィス指数と東京都心5区オフィス空室率の推移を示しています。
相関係数は-0.81で、負の相関関係があります。オフィスの空室が増えると東証REIT指数が下落する傾向にあります。しかし、コロナショック後は、少し様子が違うようです。
オフィス空室率は悪化の一途をたどっていますが、東証REITオフィス指数が大きな影響を受けることなく上昇しているのは、J-REITが保有する物件が長期にわたって賃貸契約されるような品質の高い物件が多いことが背景となっていることも一因でしょう。
近年シェアを伸ばしてきているのは、商業・物流です。下のグラフは、J-REIT保有不動産の用途別物件数前年比を示しています。
引用:一般社団法人不動産証券化協会 ※2021年は7月時点
最後に東証REIT住宅指数の推移を見ていきましょう。住居は人の生活になくてはならないものですので、比較的安定して推移しています。
例えば、「住宅指数」はコロナショックからの回復も比較的早かったのです。用途別指数で大幅に日経平均株価が下がった2020年3月19日のあとの推移を日別の推移で追ってみましょう。
どの指数も、下落してから上昇したタイミングは同時期ですが、黄色の「住宅指数」は、コロナショック前の8割程度と、最も回復の具合が高いのが分かります。
人々の生活に欠かすことが出来ない住宅は、安定的であるということがデータからも読み取ることが出来ました。マンション不動産投資を始めようとされている方にとっては、背中を押してくれるようなデータであったのではないでしょうか?
社団法人 住宅・不動産総合研究所
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