2020年04月28日(最終更新:2023年06月09日)
以前の記事「データは自ら取りに行く! 住宅・土地統計調査の調べ方・活用方法を解説」で、持ち家比率の調べ方についてお伝えしました。今回は空室率の中でも、賃貸住宅における空室率の調べ方をお伝えし、更に賃貸住宅の空室率の詳細を調べてみます。
本コラムで何度か出てきている「空き家」の定義について復習です。住宅・土地統計調査では、「居住世帯のない住宅」は以下のように定義されています。
平成30年住宅・土地統計調査が行われた時点で、住んでいる人がいない住宅のうち、「賃貸用の住宅」が賃貸住宅における「空き家」となり、これが「分子」となります。分母は「人が住んでいない賃貸住宅」と「人が住んでいる賃貸住宅」を足した数値となります。
ちなみに「人が住んでいる賃貸住宅」は、「所有の関係」が分かるデータより「借家」を抽出します。
不動産投資を始めようとする方々にとって、賃貸住宅の空室率が気になるところですが、実はここ10年間であまり変わっていません。しかし、2割という数字は高いように思えます。この内訳をみていきたいと思います。
この賃貸住宅の空室率ですが、全国で見るとかなりバラツキがあります。沖縄県が12%と最も低く、次いで熊本県、そして、なんと第3位が東京都となっております。
本コラムでも東京都の賃貸需要の高さを何度かお伝えしていますが、このデータからもその実態が表れていると言えます。
市町村ごとのデータも算出できるので、先に述べた方法で是非気になるエリアを調べてみて下さい。空き家となっている賃貸住宅の中でも、築年数別等の内訳をみたいところですが、本調査から抽出が出来ないので、次に建物の構造別での空き家率をみてみたいと思います。
これを見ていくと、木造における空室が目立っています。更に木造賃貸住宅(共同住宅)における空室率を都道府県別で見ていくと、かなり差があります。
なんと、大阪府の木造賃貸共同住宅における空室率が45%という高さでした。
賃貸住宅の空室率はここ10年で大きくな変化はありませんが、詳細をみていくと、都道府県別でも差があり、さらには木造か非木造かでも大きな差が出ることが分かりました。
収益不動産ONLINE編集部
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