東京23区の区別の将来人口推移 | 不動産投資に役立つデータの入手方法(人口動態編)
不動産コラム

東京23区の区別の将来人口推移 | 不動産投資に役立つデータの入手方法(人口動態編)

物件選びをする際、そのエリアの賃貸需要は気になるところです。もし、そのエリアに精通していれば、「どういう年齢層の人が住んでいて、どんな世帯が多いのか」といった具体的なイメージがつきやすいかもしれませんが、遠方や馴染みのないエリアの場合は、そうもいきません。

今回は、物件選びに役立つデータの入手方法をお伝えします。

100年続く日本で最も重要な統計「国勢調査」

国勢調査とは国内の人口・世帯の実態を把握し、各種行政施策その他の基礎資料を得ることを目的とし、日本に住んでいるすべての人と世帯を対象とした調査で、総務省としても国勢調査を「国の最も重要な統計調査」と位置付けています。

2015年国勢調査よりインターネット回答方式が導入され、回答しやすくなりました。3年前のことなので、覚えている方も多いかと思います。

調査の流れ(イメージ図)

調査の流れ(イメージ図)

出展:総務省統計局国勢調査HP

人口や世帯数を知る指標として、「住民基本台帳」によるものもありますが、住所変更をせずに転居する人がいるため住民票の届出場所と実際に住んでいる場所が一致しない場合があるのに対して、国勢調査はその地域に実際に住んでいる人の状況に基づいており、また、住まいに関することや職業、昼間の人口と夜の人口の違いなど、住民基本台帳ではわからないことも把握できる点が大きく異なります。

ちなみに、平成27年国勢調査による日本全体の人口は、1億2709万4745人だったのに対し、「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数調査(2017年)」では1億2822万6483人とズレがありました。
地域によっては、このズレが逆転している地域もあり、また年齢別に見ても大きくズレている年齢層もあれば、ほぼ同じ結果になることもあります。

国勢調査は町丁・字まで把握することが出来る

国勢調査は都道府県、市町村別はもちろんのこと、「小地域集計結果」を選ぶと「東京都 千代田区 丸の内 1丁目」といった町・丁までのデータを見ることが出来ます。

データの取得方法ですが、まずは、総務省統計局の平成25年国勢調査のページにアクセスします。調査の大項目があるので、知りたい項目の「e-Stat」の画像をクリックします。各統計には「CSV」と「DB」と二つの形式がありますが、おすすめは「DB」である程度インターネット上で項目を絞った上で、統計結果を見る方法です。DBの扱い方についての詳細は「e-Stat」を参考にしてください。

国勢調査では、例えば以下のようなデータなどが算出できます。

平成25年国勢調査結果の出力例

平成25年国勢調査結果の出力例

※昼夜間人口比率(%):夜間人口を100とした場合の昼間人口の指数を昼夜間人口比率と呼び、昼間人口と夜間人口の関係を表す指標。

目的に合わせて様々なデータが見られます。また、先ほどもお伝えしたように、もっとエリアの範囲を狭めて統計を見ることが出来るので、よりリアルな数値も取得可能です。

将来の人口・世帯動態も知っておく必要がある

現時点の状況だけでなく、将来予測も把握しておく必要があります。不動産投資は長きに渡る経営です。賃貸需要を長い目で見て見極めておくべきです。国立社会保障・人口問題研究所では、将来推計人口や世帯数を公表しています。人口に関しては、市区町村の区分まであるので、より詳細に物件の将来的な賃貸需要を確認することが出来ます。

例えば、東京23区の区別の将来人口推移で2015年を100とした場合の推移は以下となります。(100以下を赤色で表記)

東京23区の区別の将来人口推移(2015年を100とした場合)

東京23区の区別の将来人口推移(2015年を100とした場合)

これを見ると、千代田区、中央区、港区に関しては、データがある2045年までずっと上昇が続いており、その上昇幅も+30%とかなり高い数値になっています。

一方で、足立区、葛飾区、江戸川区といった下町エリアは減少傾向にあります。減少と言っても、1割程度と日本全体で見ると小幅な下落なのですが、事実として知っておくに越したことはありません。

賃貸需要は不動産経営には不可欠

不動産投資での収入は言わずもがな家賃収入です。不動産投資は、入居者がいなければ成り立ちません。また、空室が続けば家賃を下げなければならないかもしれません。

エリアの賃貸需要を考えることは非常に重要なのです。もちろん賃貸需要を正確に見極めることは難しいですが、少なくとも先ほど挙げたような指標は把握しておくようにしましょう。

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