専門家コラム

【投資の展望_18】いまさら聞けない不動産投資で関わる税のこと ~投資用1棟マンションを購入した時にかかる税~

マンション投資・マンション経営にかかわる税は以下の3つに分類することができます。
 
①不動産を取得(購入・建築)、あるいは取引した時に払う税

②不動産を所有している時にかかる税

③マンション経営の収益にかかる税

 

これらのうち、今回は①を中心にお伝えします。

 

 

取得、取引時にかかる税

投資用賃貸用マンションを1棟で(土地+建物)購入するという行為は、税の観点でのいい方をすれば、「高額な財産を取得し、その際に高額なお金・価値が移動すると行為」と言えます。こうした高額なお金が動く行為には、税金がかかることになっています。

不動産取得税

まず、不動産取得税から説明します。
 
土地や建物といった不動産を取得(購入・建築・贈与・等価交換等により)するとかかる税金で、納める先は物件所在地の都道府県(税事務所)となります。所有者の所在地ではなく、あくまでも物件所在地の都道府県です。ただし、相続した場合他一定の条件下では、不動産取得税はかかりません。
 
原則として不動産取得税は、固定資産税評価額×税率で計算します。
 
税率は、土地・家屋(住宅)では3%、家屋(非住宅)では4%となります。投資用賃貸用でも、実際に自らが住む為の物件でもかわりません。
 
固定資産税評価額は実際の購入費用や建築費用等ではなく、あくまでも固定資産税台帳に登録された該当物件の価格となります。また、いくつかの条件を満たせば固定資産税評価額が一部控除されたり、軽減措置が適用されたりすることもあります。

 

消費税(土地にはかからない)

建物を建築、あるいは購入すると消費税(現行:10%)がかかります。土地は、「消費されない」と考えられますので、消費税はかかりません。土地を購入する時に仲介会社等に頼んだ場合の仲介手数料には消費税がかかります。
 
投資用の1棟マンションを購入する際には、例えば5億円の物件で、土地相当額3億円、建物その他付随設備等の額が2億円だとすれば、2億円に対して消費税がかかります。通常1棟モノの投資マンションが売り出される時の物件チラシ等には、先に述べた例でいえば、「販売価格5億円」と記載されており、いくらが建物相当分か分からないことが多いようです。販売会社に問い合わせて聞くといいでしょう。ここでの5億円は建物分の消費税込みなのかどうかも併せて確認しましょう。

 

印紙税

土地や建物といった不動産購入時に交わす「売買契約書」や、建物を建てる時に交わす「建築請負契約書」には、収入印紙を貼ります。この収入印紙を購入し、貼り付け、印鑑(割印)を押す、あるいは署名することで印紙税を納入したことになります。
 
マンション販売会社(あるいはマンションディベロッパー会社)と交わす売買契約書には、印紙を貼ることになります。契約書は2通(企業保存用とお客様保存用)用意するのが一般的です。その1通の契約書に貼る収入印紙は販売側企業が用意し(=印紙税を納入と同じ行為)、もう1つの収入印紙は購入者が用意します。
 
印紙税は、法律では、①不動産譲渡にかかる契約書や②請負にかかる契約書③継続取引の基本となる契約書④金銭や有価証券の受領書 にかかるとされています。

 

登録免許税

不動産を取得、建物を新築するなどののち、不動産の所有者を明記する仕組みが「登記」です。土地や建物の場合は、「不動産登記簿」に「登記」する必要があります。この登記にかかる費用が「登録免許税」です。登記を依頼する司法書士に支払う対価は代行費であり、登録免許税とは別です。
 
土地は、基本的に誰か(個人・法人・国など)が所有しているものを購入するわけですから、土地を購入すると所有権移転が発生し、そのために「所有権移転登記」が必要となります。いうなれば、登記簿に掲載してもらう費用というべきものが「登録免許税」ということになります。
 
登録免許税は、固定資産税評価額が基準となり、売買における取得では×1.5%(通常は2%)となります(~23年3月末日まで軽減税率期間中のため)。
 
新築の1棟モノ投資マンションを購入した場合、賃貸アパートを建築した場合や注文建物を新築した場合、分譲マンションや分譲住宅を購入した場合などに行う建物の登記が「所有権保存登記」です。これまでに登記されていなかった建物の所有権をはっきりさせるために行います。
 
この際にかかる登録免許税は固定資産税評価額×0.4%となっています。こちらも、軽減税率が適用されます。「個人が、令和4年3月31日までの間に住宅用家屋を新築又は建築後使用されたことのない住宅用家屋の取得をし、自己の居住の用に供した場合の保存登記は、0.15%となります。」(国税庁HPより)
 
ただし、登記後の軽減税率の申請ができないことや、市区町村からの証明が必要なこと、50㎡以上の建物であること、などの規定がありますので、注意してください。

 
 
 


不動産エコノミスト 吉崎 誠二(よしざき せいじ)

社団法人 住宅・不動産総合研究所 理事長

公式サイト: http://yoshizakiseiji.com/

早稲田大学大学院ファイナンス研究科修了。立教大学大学院 博士前期課程修了。(株)船井総合研究所上席コンサルタント、Real Estate ビジネスチーム責任者、基礎研究チーム責任者、(株)ディー・サイン不動産研究所 所長 を経て現職。不動産・住宅分野におけるデータ分析、市場予測、企業向けコンサルテーションなどを行うかたわら、全国新聞社、地方新聞社をはじめ主要メディアでの招聘講演は年間30本を超える。

著書: 「データで読み解く賃貸住宅経営の極意」(芙蓉書房出版)、「大激変 2020年の住宅・不動産市場」(朝日新聞出版)、「消費マンションを買う人、資産マンションを選べる人」(青春新書)等10冊。多数の媒体に連載を持つ。


 

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